シクラメンが開花時期に枯れる原因とは?
開花時期に花が減って葉ばかりになってしまう原因とは?
シクラメンの冬の育て方の注意点とは?
こんなシクラメンが開花時期に枯れる原因と対処法についてご紹介いたします。
目次
シクラメンが開花時期に枯れる原因とは?
シクラメンは寒冷地に自生する植物ですので、冬に美しい花を咲かせます。
そんなシクラメンの開花時期にシクラメンが枯れてしまう。
綺麗な花をたくさん咲かせていたシクラメンの葉が急に黄色くなって枯れてしまう。
そんなシクラメンの姿を見るのは非常に悲しいものでもあります。
なぜ、今まで元気だったシクラメンが急に枯れてしまうのか?
実はシクラメンは温度や湿度に非常に敏感で、環境が合わないと葉や花がすぐに枯れてしまうことがあります。
シクラメンが開花時期に枯れる原因は大きくわけると
- 気温(温度)が合っていない。
- 水やりの不足。
- 水やりのやり過ぎ。
- 日照不足。
の4つになります。
気温(温度)が合っていない事による枯れ
シクラメンは10℃から18℃くらいの涼しい温度を好みます。
特に日中は15℃~20℃位で夜間は低くても10℃位までの範囲が望ましいとされています。
しかし、日本では植物が花を咲かせる環境は暖かい季節が多いため、シクラメンも暖かい環境を好むと思われがちです。
さらにシクラメンは室内で鑑賞しながら育てる事が多いため、やはり暖かい環境を好むと思われているようです。
確かに冬の屋外にシクラメンを置いてしまえば、寒さで枯れてしまうこともあります。
ガーデンシクラメンのように耐寒性を高めて品種改良されたシクラメンもありますが、基本的には5度以下の屋外ではシクラメンを育てることはできません。
よって室内でシクラメンを育てること自体は間違ってはいないのですが、暖かければ良いというわけでもないのが、シクラメンの管理の難しさでもあります。
先にも述べましたように、シクラメンの好む温度は10度から18度くらいで20度を超えた辺りから徐々に調子を崩し始めます。
よって冬の室内などで、常に室温が25度以上に保たれている場所などにシクラメンを置いてしまうと枯れてしまうこともあるのです。
気温が25℃以上になると葉が黄色く変色したり、花がしおれたりして枯れてしまいます。
また、暖房の熱風が直接当たると、さらに温度が上昇し、枯れる原因となります。
シクラメンを育てる場所は、暖房器具の影響を受けない涼しい場所を選ぶようにしましょう。
私たちが快適と思う温度、そして多くの植物が好む温度が実はシクラメンにとっては過酷な温度であるということを理解しておくことが大切です。
水やりの不足による枯れ
シクラメンは比較的乾燥した環境を好みますが、水切れには弱い植物です。
よって土が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。
水やりのタイミングが遅れると葉が萎れたり、枯れたりすることがあります。
水やりの不足の場合には、葉が黄色くなる前に萎れて張りがなくなってきますので、その時点で気づいて水やりを行なってあげれば、枯れることはありません。
よって水やりの不足によってシクラメンをダメにしてしまうことは、それほど多くはないとも言えます。
逆に初心者の人に多いのが、水のやり過ぎによる問題です。
水やりのやり過ぎによる枯れ
シクラメンにとって水やりのやり過ぎは多くの問題を引き起こします。
過剰な水やりは常に土が湿っている状態を作ってしまいます。
常に土が湿っていると
- 根が冷えてしまい根腐れを起こしやすい。
- 湿度が高くなり過ぎて球根や新芽、蕾などが腐りやすい。
- カビや雑菌などが繁殖しやすい。
などの問題が起こりやすくなります。
シクラメンは涼しい環境を好みますが、根が常に冷えている状態は良い環境とは言えません。
シクラメンが水を欲しがっている時だけ水やりを行い、普段は土が程よく乾いている状態が理想的な環境です。
土が乾いていてもシクラメンの葉や茎にしっかり水が蓄えられていれば問題ないのです。
確認方法としては、シクラメンの葉を触ってみて張りがあれば水やりの必要はありません。
初めのうちは判断が難しいかもしれませんが、日頃から観察していると葉や茎の状態を把握できるようになります。
日照不足による枯れ
室内でシクラメンを育てるうえでもう一つの問題点が日照不足による枯れです。
屋外で育てているのであれば、日照不足で枯れてしまうようなことは少ないですが、室内で育てていると気が付かないうちに日照不足になってしまうこともあります。
特に玄関などに置いていると日光が入らないうえに照明も常時点灯しているわけでもないため、日照不足になりやすい傾向にあります。
- 明るい場所に置こうとすれば、リビングなどですが、温度の問題が起こりやすい。
- 温度の問題を気にして玄関や廊下などに置けば、日照不足の問題が起こりやすい。
このようにシクラメンを室内で育てるには、色々と難しい面があるのも事実です。
そのような時には、気温が10度を下回らないような天気の良い日に屋外で日光浴をさせてあげたり、気温が低い時には明るい窓辺で日光浴をさせてあげるなどの世話が必要となってきます。
開花時期に花が減って葉ばかりになってしまう原因とは?
開花時期に花が減って葉ばかりになってしまう原因には
- 花の開花時期の終わりが近づいている。
- 蕾(花芽)が育つ環境が良くない。
- 肥料が足りていない。
などが挙げられます。
花の開花時期の終わりが近づいている
シクラメンの葉は元気なのに花が徐々に減っていってしまう理由の一つが開花時期の終わりです。
シクラメンは冬に花を咲かせる植物ですので、暖かくなるに連れて花が徐々に減っていきます。
そのような状態は異常ではないので、問題ありません。
蕾(花芽)が育つ環境が良くない
まだまだシクラメンの開花時期なのに、花の数が減ってしまう原因の一つに蕾がうまく育たない環境の問題があります。
シクラメンの蕾は葉の下の方の株元から出てきますが、その場所の環境が良くないと蕾が育たなくなってしまいます。
葉には日光がしっかり当たっているのに、葉が茂り過ぎて蕾に日光が当たっていないなどの問題はよく起こる問題の一つです。
そのような時には、葉組みと呼ばれているお手入れ方法がおすすめです。
葉組みとは中央の葉を外側の葉に引っ掛けて、株元に光を当ててあげる作業です。
葉組みをすることで、花芽が増えて花つきが良くなります。
また、水をやり過ぎて株元の湿度が高くなり、蒸れてしまって蕾が腐ってしまっているなどの問題も起こりやすい問題です。
シクラメンはどうしても綺麗な花に目がいきがちですが、日頃から葉をかきわけて株元の蕾や新芽の状態を確認してあげるようにしましょう。
肥料が足りていない
株元の環境を整えてあげて、蕾に日光がしっかり当たるようにしてあげてもなかなか新しい蕾が上がってこない時には肥料不足も考えられます。
シクラメンが花をたくさん咲かせるためには、たくさんの栄養を必要とします。
そのような時期に肥料をほとんど与えていないと肥料切れを起こしてしまい花の数が減ってしまうことがあります。
肥料には、NPKバランスというものがあり、Nは窒素、Pはリン酸、Kはカリの割合を表しています。
窒素は葉や茎の成長に役立つ肥料で葉を茂らせる効果があり、リン酸は花の開花に貢献する肥料です。
カリは根張りをよくしたり、耐寒性を高める効果が見込めます。
シクラメンの花をたくさん咲かせるためには、リン酸の割合が高めの肥料を与える必要があります。
また、ゆっくりと効果が現れる固形肥料を前もって施しておくことも大切ですが、花数が減ってきてしまった時には、即効性がある液肥を使用すると良いでしょう。
最後に病害虫にも注意しましょう。
シクラメンはハダニやアブラムシ、灰色カビ病などにかかりやすい植物です。
病害虫を見つけたら、早めに薬剤を散布して駆除しましょう。
シクラメンの冬の育て方の注意点とは?
シクラメンは冬に花を咲かせる植物です。
そのため、寒さに強いイメージがありますが、実は温度や湿度、水やりなど冬の育て方にはいくつかの注意点があります。
ここまで読み進めていただいた人は、ご理解いただけているとおもいますが、再度大切なことを整理してみましょう。
温度管理が重要
シクラメンは10〜18℃くらいの温度を好みますので、暖房の効いた室内では20℃を超えないように注意しましょう。
また、夜間の冷え込みにも注意が必要です。
特に夜間に冷え込む時期や地域では、夜の間だけ窓から離れた場所に置いてあげるなどの寒さ対策をしてあげましょう。
水やり方法と頻度
シクラメンは、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。
というのがシクラメンの水やりの基本となっています。
ただし、あまりにも頻繁に水やりをしてしまうと過湿による根腐れの原因となってしまうことがあるため注意が必要です。
水やりとは葉や茎、花などから水が抜けてしまうの避けるために行うものです。
よって大切なことはシクラメンの状態をしっかり観察してあげることです。
極端な例を挙げますと、ほとんど日光が当たらない湿度が低い場所で管理しているシクラメンの場合には、日光が当たらないため光合成が促進されずに体内の水分はほとんど使用されないにも関わらず、土だけ乾燥してしまうことがあります。
そのような状態を見て、土が乾いているので水やりをしてしまうと根が水を吸い上げないため、土の中が水分過多となってしまい根腐れが起こりやすくなってしまいます。
あくまでもシクラメンが元気に光合成を行える環境が整っていることが前提として、水やりを行うことが大切です。
また、水やりの際には葉や花に水がかからないようにしましょう。
葉や花に水がかかってしまうと株元が蒸れやすくなり、病気やカビの原因となってしまいます。
よってシクラメンの水やりは、葉を持ち上げるようにして鉢の脇からそっと行うようにしましょう。
定期的な肥料
シクラメンの開花期には2週間に1回程度、肥料を与えてあげましょう。
肥料を選ぶ際には、リン酸の割合が多いものを選ぶことで花付きをよくする事ができます。
もちろん、すべてのバランスが整った肥料でも問題ありません。
日当たりの良い場所に置く
シクラメンは日光がとても大好きな植物です。
日当たりの良い場所でしっかり光合成をさせてあげることで、花付きが良くなります。
ただし、急な環境変化による直射日光は葉焼けやしおれの原因となることもあるため、初めのうちはレースのカーテン越しなどの明るい場所に置き、徐々に日光に慣れさせてあげましょう。
シクラメンが開花時期に枯れるまとめ
- シクラメンが開花時期に枯れる原因は大きくわけると、気温(温度)が合っていない、水やりの不足、水やりのやり過ぎ、日照不足などが挙げられる。
- 冬の室内などで、常に室温が25度以上に保たれている場所などにシクラメンを置いてしまうと枯れてしまうこともある。
- 常に土が湿っていると、根が冷えてしまい根腐れを起こしやすい、湿度が高くなり過ぎて球根や新芽、蕾などが腐りやすい、カビや雑菌などが繁殖しやすいなどの問題が起こりやすい。
- シクラメンを玄関などに置いていると日光が入らないうえに照明も常時点灯しているわけでもないため、日照不足になりやすい傾向がある。
今回はシクラメンが開花時期に枯れてしまう問題についてご紹介しました。皆様のシクラメン育成の参考にしていただけると幸いです。