
ラベンダーの根元が枯れるのは普通のこと?
ラベンダーの葉っぱが枯れる原因は?
ラベンダーの枯れに対する対処法はある?
こんなラベンダーの下葉などが枯れる問題に対する疑問についてご紹介いたします。
ラベンダーの根元が枯れるのは普通のこと?
ラベンダーは地中海原産のハーブで、温暖で乾燥した環境を好みます。
ですので、日本のような高温多湿の気候には弱い性質があります。
そのため、ラベンダーの性質を知らずに何となく育てていると枯れてしまうことはよくあると言えるでしょう。
特に多湿になる地表付近、つまりラベンダーの根元から枯れてくる現象はよく見られます。
まず下葉が灰色っぽくなり、ポロポロと取れてきます。
そのまま放っておくと茎に元気がなくなり、枯れてしまいます。
ラベンダーの根元を枯らさないためには、原因を理解し適切な対策を取ることが大切です。
ちなみに、ラベンダーは常緑低木の仲間ですので、年数を経ていくうちに株元から木質化する性質もあります。
その場合は枯れているというわけではないので安心してください。
ラベンダーの葉っぱが枯れる原因は?
ラベンダーが枯れる主な原因として
- 蒸れ
- 土が合っていない
- 肥料の与えすぎ
などが挙げられます。
原因について一つずつみていきましょう。
蒸れによって枯れる
ラベンダーは湿度が低くカラッとした気候が続く地中海原産の植物です。
そのため日本のような高温多湿な環境には弱い性質があります。
特に梅雨時~夏は、蒸れによる根元の枯れが非常に起こりやすい季節です。
雨の多い梅雨の時期になると、地表近くは特に湿度が高くなります。
さらにラベンダーの根元は枝が混み合いやすい部分でもあります。
風通しが悪くなることで蒸れが起こりやすくなり、影響を受けやすい根元から傷んでくることが多いのです。
また、暑さの影響もあります。
季節が進み気温が高くなってくると、ラベンダーは葉の裏にある気孔を広げて水分を蒸発させることで自身の温度を下げようとします。
その時に湿度が高いと蒸発の効率が悪くなり、温度調節が上手く行えずに弱ってしまうのです。
特に真夏の昼間に水やりをすると、湿度と暑さ両方の影響が出てしまいます。
土が合っていない
ラベンダーは乾燥した環境を好みます。
そのため、水はけの悪い土に植えると根が上手く呼吸できなくなり枯れてしまいます。
また、水はけが悪いと水分が長く留まり、地表付近の湿度を上げる原因にもなるため、蒸れの被害の元にもなってしまいます。
土に問題を感じる時にはラベンダー用の土なども販売されていますので、植え替えをしてみるとよいかもしれません。
肥料の与えすぎ
ラベンダーはあまり肥料を必要としないため、基本的には春と秋の年2回の施肥で問題ありません。
特に夏直前に肥料を与えてしまうと、休眠期のラベンダーを起こして成長を無理に促進させることにつながります。
その時期の無理な成長は暑さの影響を強く受け、枯れてしまう原因になってしまいます。
肥料を与える時期が適切でも、一回に与える量が多すぎると『肥料焼け』を起こすことがあります。
肥料が多すぎることは、逆にラベンダーの成長を阻害してしまいます。
肥料の濃度が濃すぎると、水分の吸収が上手くできなくなり枯れてしまうのです。
ラベンダーの葉のふちから焼けたように茶色く変色している状態は、肥料焼けの特徴です。
肥料をあげた後はラベンダーの状態をよく観察しましょう。
その他の原因
ラベンダーの中には真夏の直射日光に弱い品種もあります。
夏の間は直射日光が当たる環境は避け、半日陰の風通しの良い場所で管理すると良いでしょう。
地植えなどで移動が難しい時には、遮光ネットなどで日差しを和らげてあげる対策などもあります。
また、害虫がついたことにより枯れる場合もあります。
ラベンダーを含めたハーブ類は一般的に害虫がつきにくいと言われていますが、ハダニやカイガラムシ、アブラムシなどがつくこともあります。
それらの虫がつくと『灰色かび病』や『すす病』の原因となり、放っておくと枯れてしまいます。
見つけ次第柔らかいブラシで落としたり、薬剤を散布して対策をしましょう。
ラベンダーの枯れに対する対処法はある?
先ほどご紹介した通り、ラベンダーの枯れる原因には
- 蒸れ
- 水はけの悪い土
- 肥料のあげすぎ
- その他(直射日光、害虫など)
があります。
まずはなぜラベンダーが枯れてしまったのか、調子を崩してしまったのかを観察し、ひとつずつ解決していきましょう。
以下ではラベンダーの枯れに対する対処法をご紹介します。
土と植え付け
ラベンダーにとって、多湿は最大の敵です。
まずは土を水はけの良いものに変えましょう。
ラベンダーの苗を買ってきたら、ポットの土を触ってチェックしてみましょう。
粘土のような重く水はけの悪い土に植えてある時は、できるだけ早い植え替えをおすすめします。
鉢植えの場合は市販のハーブ用やラベンダー用の土を使うのが安心ですが、花と野菜の培養土に水はけ対策として赤玉土や川砂、パーライトかバーミキュライトを少量混ぜて使用しても大丈夫です。
自身で配合する場合は、赤玉土5:腐葉土3:川砂2の割合が良いでしょう。
植え付ける前に鉢底石を入れるのも忘れないようにしましょう。
鉢はプラスチックのプランターでも構いませんが、水はけと通気性に効果のある素焼きやテラコッタの鉢を使うとより安心です。
地植えの場合は土壌の酸度調整をする必要があります。
ラベンダーの原産地、地中海沿岸は石灰岩に含まれる炭酸カルシウムが土に溶け出し、弱アルカリ性の土壌になっています。
原産地の環境に近づけるためにも、土壌の酸度は弱アルカリ性に調整すると良いでしょう。
植え付ける2週間前に、植える場所の土に苦土石灰を混ぜ込んで土づくりをします。
苦土石灰は土壌をアルカリ性に傾ける性質があるので、pHが6.5~7.5程度になるように、適量を混ぜ込みます。
2週間前に土づくりをすることで、植え付けまでに用土のpHを一定にすることができます。
市販のラベンダー用の土を使う場合は、pH調整済みですので事前準備なく植え付けして大丈夫です。
植え付けは水はけを良くするために、盛土にするのがおすすめです。
水やり方法の改善
土の次に大切なのが水やりです。
ラベンダーは乾燥した環境を好みます。
蒸れが枯れの元になることが大半ですので、水やりには特に気を付ける必要があります。
土の中までしっかりと乾いてから水やりをしましょう。
この時に注意したいのが、与える水の量です。
蒸れが怖いからといって少量の水しか与えないと、土の奥の根まで水が届かず、かえって良くありません。
水やりの時は鉢植えの場合は底穴から流れ出るくらいたっぷりあげましょう。
常に土が湿っていることがないように、メリハリをつけた水やりをするのがポイントです。
葉っぱに水がかからないように、株元にあげてください。
また、水やりは季節ごとに回数や時間を変えるのもコツです。
特に夏場は早朝や夕方にするのが良いでしょう。
夏の昼間の水やりは土の温度が高くなっているので、蒸れの被害が出やすくなってしまいます。
逆に湿度の低くなる季節は水切れに注意が必要です。
ラベンダーは乾燥を好むとはいえ、水を切りすぎると根から傷んでしまいます。
季節ごとに適切な水やりを心がけましょう。
剪定・切り戻し
お伝えしている通り、ラベンダーに蒸れは大敵です。
土と水やりの他に忘れてはいけない大切な対策は、風通しを確保することです。
そこで行いたいのが剪定や切り戻しです。
混み合っている枝や葉を剪定することで風通しが良くなり、蒸れ被害を抑えられます。
また、根元への日当たりが良くなり、ラベンダーの成長の促進にもつながります。
5月下旬頃以降、花が咲き始めたら、ラベンダーの脇芽が出ている部分の上で切り戻しましょう。
この時期の切り戻しは梅雨や夏の時期の蒸れ対策になる他、花を早めに摘み取ることで株のエネルギー消費を抑え、夏越しに備えることができます。
植えてから数年経って株元が木質化している株は、古い枝や傷んでいる枝から取り除きます。
剪定は葉の部分と木質化して茶色くなっている部分の境目辺りで行いましょう。
ラベンダーは樹の仲間で、深く剪定してもすぐに新しい枝が形成されます。
この深く切る剪定を『強剪定』といいます。
強剪定は秋に行いましょう。
また、剪定の際に気をつけたいのが天気です。
雨の日の前に剪定すると、切り口から菌が入り病気になる恐れがあります。
剪定をしようと思ったら、天気予報のチェックも忘れずにしたいところです。
適切な量の肥料
ラベンダーは肥料をあまり必要としない植物ですが、適量の肥料で強い株を作ることができます。
また、花付きを良くする効果もあります。
植え付けの時に元肥として少量の緩効性肥料を用土に混ぜると良いでしょう。
追肥は春と秋の年2回、緩効性肥料を与えます。
肥料焼けを起こさないように、与えすぎには注意です。
ラベンダーの根元が枯れるまとめ
- ラベンダーの根元の枯れの原因は蒸れ、水はけの悪い土、肥料の与えすぎ、直射日光、害虫など
- 蒸れの対策として、用土には水はけの良い土を使う
- 水やりは土が乾いてからたっぷりと、土が常に湿っている状況をつくらない
- 風通しを良くするために剪定・切り戻しを行う
- 肥料を与える場合は、春と秋に少量の緩効性肥料を施す