
あじさいは「水を好む植物」と広く知られていますが、その割に水やりの加減をうまくつかめずに気づいたら葉がぐったりしていたという経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
実はあじさいの水やりには、鉢植えか地植えかによって、また季節によって、それぞれ異なる対応が必要です。
単純に「毎日水をあげればいい」というわけでもなく、「放っておいても大丈夫」というわけでもない、少し繊細な植物でもあります。
あじさいは水切れに弱く、乾燥したまま放っておくと花が咲かなくなったり、枯れてしまったりすることがあります。
その一方で、水が不足して乾燥しすぎると花芽が形成されにくくなる一方、過湿になると根腐れを引き起こしてしまうため、特に鉢植えの場合は土の乾燥状態を観察しながら水やりを行うことが大切です。
「たっぷり、でも溜めない」というバランス感覚が求められる植物です。
鉢植えと地植えの水やりの違い
鉢植えのあじさいは水切れしやすいため、1年中水やりが必要です。
何日に1回という目安にとらわれず、毎日土の表面をチェックして、乾いていたら水を与えることが大切です。
ベランダで鉢植えを育てている場合は、特に乾燥しやすいので注意しましょう。
水を与えるときは、水さし口をつけたジョウロで株元にやさしく水を与えます。
ウォータースペースがいっぱいになるまで水を注ぎ、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。
このとき、受け皿に溜まった余分な水は必ず捨ててください。根腐れの原因になります。
ホースから勢いよく直接水を注ぐのも避けた方がよく、土の目を壊してしまうなど悪影響を与えることがあるため、散水ノズルやジョウロでやさしく与えるのが基本です。
一方で地植えの場合は管理がずいぶん楽になります。
地植えのあじさいは、植え付けの際にたっぷり水を与えたら、その後基本的に水やりは必要ありません。
ただし、夏場に乾燥した日が長く続くときなどは、時々水を与えてもよいでしょう。
極端に乾いて葉がだらんとなるようなら水をあげる、という程度の感覚で十分です。
季節ごとの水やりのポイント
春から夏にかけての生育期は、あじさいがもっとも水を必要とする時期です。
4月から10月にかけては1〜3日に1回のペースを目安に、夏場は高温で土が乾きやすい場合、朝晩の涼しい時間帯に2回与えても構いません。
特に梅雨が明けてからの7〜8月は要注意で、7月から9月の暑い盛りには1日2回たっぷりと水やりをすることが推奨されています。
水やりのタイミングとしては、夏は朝・夕方の2回行っても構いませんが、冬は夕方や夜だと水が冷えすぎてしまうので、気温が高い午前中に水やりをするのがよいでしょう。
真夏の昼間に熱くなった鉢に水をかけると、急激な温度変化が根にダメージを与えることもあるため、朝の水やりが基本です。
梅雨時期は土が乾ききらず湿っている場合があるので、鉢植えの土の様子を見ながら水やりをしましょう。
雨が当たる場所に置いてある場合は、数日水やりを控えても問題ありません。土に指を少し差し込んで確認するのが一番確実です。
秋から冬の水やり
冬場はほとんどすべての葉が落ちて枯れ木のような見た目になっていますが、地中の根は生きているので水やりが必要です。
夏場ほどの回数は必要ありませんが、土の表面を見て、乾いていたらたっぷりと水やりをしてください。
冬の水やりは頻度を減らし、午前中の1回のみにするのが基本です。
また、水が凍結しないように、水が溜まらないよう気をつけながら、寒い時間帯や寒い日は避けて水やりをするようにしてください。
霜が降りやすい地域では特に、夜間に土が凍るような水の与え方は避けましょう。
底面給水という選択肢
鉢植えのあじさいを育てる場合、特に夏の水切れに注意が必要で、あじさいの地上部が生長するのに比例して根も生長し水分の吸収量も増えていくため、底面給水鉢を利用して育てることもおすすめです。
底面給水鉢とは、鉢の底から水を吸い上げる仕組みのもので、旅行などで数日家を空けるときや、仕事で水やりの時間がとれない方にとって特に便利な方法です。
ただし、常に水を張りっぱなしにしておくと根腐れのリスクが高まるため、水の量には注意が必要です。
「水切れ厳禁」と言われるあじさいですが、だからといって闇雲に水を与えればいいわけではありません。
置き場所や季節、鉢の素材などによっても乾き方は大きく違います。
毎日土に触れて、株の状態を観察する習慣をつけることが、長くきれいなあじさいを咲かせるためのいちばんの近道と言えるでしょう。