
あじさいの苗を店頭で選ぶとき、どれも似たように見えてなかなか違いがわからないという方は多いと思います。
ところが、いくつかのポイントをおさえておくだけで、購入後に元気よく育ってくれる苗かどうかをある程度見極めることができます。
葉の色とつやで健康状態を見る
まず真っ先に確認したいのが葉の状態です。
葉が濃い緑色をしていて、つやつやとしていれば元気な証拠です。
逆に葉色が薄かったり、黄ばんでいたりする苗は、日照不足や水切れ、あるいは肥料不足のサインである可能性が高く、購入後もしばらく回復に時間がかかることがあります。
葉の裏面も必ずチェックしておきましょう。
アブラムシは植物の新芽に好んで寄生し、体色は黄緑色から黒褐色まで多様ですが、口針を幼枝の先端部や茎、根などに差し込んで汁液を吸います。
葉の裏や新芽の付け根にびっしりと小さな虫がついていないか、あるいは葉にうどんこ病のような白い粉状のものが広がっていないかを目で確かめることが大切です。
病害虫が発生している苗を持ち帰るとすでに育てている他の植物にも被害が広がることがありますので、この点は特に注意が必要です。
枝の状態と節間の詰まり具合を確認する
葉の次に見るべきは枝の様子です。
枝がしっかりとしており、根元がぐらぐらしていないがっしりとしたものがおすすめです。
枝がひょろひょろと間伸びしていたり、妙に軟らかくなっていたりする苗は、光量不足の環境で育てられていた可能性があり、定植後も締まりのない姿になりやすい傾向があります。
一般的に良い苗の条件として枝と枝の間隔(節間)が伸びすぎていないものという点が挙げられます。
節間がコンパクトに詰まっている苗ほど充実した生育をしている証しで、その後も丈夫に育ってくれます。
節間が不自然に間延びしているものは、徒長苗と呼ばれる状態で、購入後も生育のバランスが崩れやすいので避けるのが無難です。
花つきの状態で購入タイミングを判断する
開花中の苗を購入するのであれば、花の開き具合も重要な判断材料になります。
開花した苗を買う場合は、花が咲き始めて間もないものを選ぶと長く楽しめます。
すでに花色が褪せてきていたり、花びらの縁が茶色く枯れ込んでいるものは、開花のピークを過ぎているサインです。
そのような苗でも株自体は問題ないこともありますが、購入後すぐに花を楽しめる期間は短くなってしまいます。
アジサイの苗は早ければ3月頃に店頭に並び始め、4〜5月に最も多く市場に出回ります。
そして6〜7月になると店頭からはなくなってしまいます。
3月の苗はまだ葉だけの状態であることが多いため、どんな花が咲くのかを実際に確認してから購入したい方は、花が出回る4〜5月を狙うとよいでしょう。
根の状態も忘れずにチェックする
苗を選ぶうえで意外と見落とされがちなのが根の状態です。
鉢底から根が見えるようになったら、根詰まりを起こし始めている証拠で、放っておくと勢いのない弱い株になってしまいます。
店頭の苗でも、鉢底の穴から白い根がはみ出しているものは根詰まりが始まっているサインです。根詰まりの苗は購入後なるべく早めに植え替えが必要になります。
花が咲いている鉢を買った場合、たいていポットで売られていますが、花を豪華に見せるために小さめの鉢に植えられ、根はすでにびっしり回っていることが多いので、買ってきたらすぐに植え替えをするのがおすすめです。
これは購入時に気づきにくい部分ですが、開花中の見栄えのいい苗ほど根の環境が厳しい状態になっていることがありますので、覚えておくとよいでしょう。
ファイトプラズマ感染苗に注意する
アジサイはファイトプラズマという病原菌が原因で花が緑色になり、枯死したり、他の株にうつったりすることがあります。
これは20年ほど前から見られるようになった病気で、知らずに園芸店などで置かれていることがあります。
ただし、緑の花をつける品種も存在しますし、花の変化の過程で自然に緑がかることもあるため、一概にすべてが感染苗というわけではありません。
購入前に店員さんに品種の特性を確認するか、花の形状が明らかに変形していたり株全体の勢いがなかったりする場合には、念のため購入を見送る判断も必要です。
「苗半作」という園芸の言葉があるようにどんな苗を選ぶかがその後の育ちを大きく左右します。
価格だけで選ぶのではなく、葉・枝・花・根という四つの視点からひとつひとつ丁寧に確認してから持ち帰るようにしましょう。