
バラは「肥料食い」とも呼ばれるほど栄養を必要とする植物です。
ただしそれは、やみくもにたくさん与えればよいということではありません。
肥料も適切なものを適切な量、適切な時期にあげることが大切で、高い・安いではなくバランスが重要です。
この基本さえしっかり押さえておけば、初めてバラを育てる方でも美しい花を咲かせることができます。
肥料の種類と役割を知っておく
バラに与える肥料は、与える時期によって呼び方や役割が変わります。
植え付けや植え替え時に土へ混ぜる「元肥(もとひ・もとごえ)」は初期生育をサポートするもの、生育途中に施す「追肥(ついひ)」は開花直前や開花後のエネルギー回復のために与えるもの、そしてバラの休眠期である冬に施す「寒肥(かんぴ・かんごえ)」は春からの生育や芽吹きを活発にするものです。
肥料の種類は、効果が出るスピードに応じて緩効性肥料・遅効性肥料・速効性肥料に分けられます。
緩効性肥料はゆっくりと溶けて効果を長く持続させるのが特徴で、遅効性肥料は土壌中の微生物が成分を分解することによりじわじわと時間をかけて効果を発揮します。
速効性肥料は施肥してからすぐに効果を出したいときに適していますが、効果が長続きしないため、株の状態を見ながら追肥などに使うのが適切です。
三大栄養素と肥料選びのポイント
バラの生育でもっとも望ましいのは、常に穏やかな肥料効果(土中の栄養が豊富)があり、土壌の団粒構造が良好であることです。
そのような状態を目指すためには、基本的に緩効性肥料と堆肥を与えていきます。
肥料はおもに土中の栄養分を増やし、堆肥はおもに土壌を団粒構造へ改善させる働きがあります。
初心者には、市販のバラ専用肥料がおすすめです。
花付きをよくするリン酸を多めに含み、それでいてバランスよく配合されているものが多いのが特徴です。
株の調子をみて、株自体が小ぶりで元気がないようであれば窒素やカリの比率が高いものを選び、花付きが悪いのであればリン酸の比率が高いものを選んでください。
草花用の肥料を使いたいという場合は、バラはカリ(K)が多いとうまく育たないことがあるので、よく確認しておきましょう。
また、化学肥料だけで育てると株が軟弱になりますので注意が必要です。
化成肥料を使うのは速効性を求めるときや追肥などに限るとよいでしょう。
施肥のタイミング 地植えと鉢植えの違い
地植えの場合は植えつけ時の元肥と生育期間中の追肥、それに加えて冬に寒肥を行います。
鉢植えの場合も植え付け時に元肥を行い、生育期間中に追肥を2〜3回行いますが寒肥は与えません。
追肥の時期については、地植え・鉢植えともに3月中旬〜下旬、6月、9月の合計3回が基本です。
ただし秋に花を咲かせない一季咲きの品種は、9月の追肥を行う必要はありません。
それぞれの追肥には意味があり、3月は芽吹きから春の開花のためで、6月はバラの生育最盛期で若い枝(シュート)がどんどん伸びる時期で夏バテを防ぐ効果もあり、9月は秋の開花に向けての準備となります。
寒肥については地植えのバラにのみ行うもので、時期は1月〜2月が適切です。
枝の張っている先端直下あたりの株回りを30〜40cm程度掘り、乾燥牛糞とバラ用肥料を入れてよく混ぜます。
株回りが全部掘れなければ、2〜3箇所穴を掘って施してください。
一般的に、鉢植えでは水やりの際に栄養が流れ出るため、肥料の量を控えめにしつつ頻繁に追肥を行うのがよいとされています。
一方で地植えは土壌に栄養が蓄積されやすく、鉢植えに比べて施肥回数は少なくてすみます。
量の目安と与え方の注意点
量については製品によって差があるため商品表示を必ず確認することが前提ですが、おおよその目安として、鉢植えの場合は6〜7号サイズの鉢に対して小さじ1杯程度の量を目安とし、その肥料を鉢の縁に2〜3箇所に分けて置きます。
地植えの場合は最も外側へ広がっている枝の先端直下の土に株を円で囲むように規定量の肥料を与えます。
与える際はバラの幹に直接肥料が触れないように3〜5cm離して、ドーナツ状になるように施すのが基本です。
根元に直接かけてしまうと肥料焼けの原因になるため注意が必要です。
肥料をあげすぎると根を傷める場合があります。
根が傷むと水やりをしても吸い上げられなくなり、最終的には枯れてしまうこともあります。
さらに過剰な肥料の影響で株が貧弱に育ったり、徒長して虫に食害されることもあります。
また葉や茎の栄養成長が活発となり花つきが悪くなることもあります。
葉がゴワゴワしていて緑が濃い場合や徒長気味の株は肥料が効きすぎているサインなので、そのような場合は与えずに様子をみましょう。逆に全体の葉が黄色くなってきたら肥料切れのサインです。
速効性の液肥などを与えて調整しましょう。
バラの肥料管理は、量よりもタイミングと観察を重ねることで精度が上がっていきます。
毎年咲かせながら株の様子を丁寧に見ていくことが、長い目で見たときの一番の近道です。