
新苗とはどんな苗か
新苗とは、前年の秋から冬に接ぎ木したものを鉢上げした若い苗木のことで、接ぎ木からおよそ半年後の春にたくさん出回ることから「春苗」とも呼ばれます。
4〜6月にかけて若々しい葉や蕾のついた姿で販売され、高さ40〜50センチ、枝が1〜2本伸びたものが一般的で、3〜5号の小さな鉢に植えられています。
春に出回る新苗は、接ぎ木からあまり時間が経っていないため、丁寧に扱うことが大切です。
特に、切り接ぎでつくった新苗の場合、継いでからまだ3ヶ月程度しか経っていないこともあります。
こうした背景を理解しておくと植え替えの際に注意すべき点が見えてきます。
すぐに植え替えても大丈夫?
結論からいえば、新苗は春に購入後、なるべく早く植え付けるのが望ましいです。
生産用の鉢は小さく、水切れや根詰まりを起こさないように早めに植え替えるに越したことはありません。
ただし、ここでいう「植え替え」とは大きな鉢へ移す「鉢増し」のことであって、根をほぐしたり土を全て落としたりするような作業とは異なります。
春は生育期にあたるため、根鉢は崩さず、鉢増しするようにそのまま植えつけるのが基本です。
この点は冬の大苗の植え付けとは根本的に考え方が違うので、混同しないよう気をつけましょう。
一番花が咲いてからが理想的なタイミング
5月ごろ一番花が咲き終わったら2/3を残してカットした後、ポットから抜き、土を崩さないように注意しながら培養土を用いて鉢に植え付けるとよいとされています。
また、春に蕾や花のついたバラの苗を買った場合は、開花が終わるまで待ってから鉢増しをすることもできます。
一番花を楽しんだ後に花がら摘み・切り戻しを済ませ、根を崩さずに一〜二回り大きな鉢に鉢増しを行いましょう。
一番花が咲くまでの間は購入時の小さな鉢のままでも問題はありませんが、水切れには十分に注意が必要です。
気温が上がるにつれて乾燥が早くなるため、こまめな観察が欠かせません。
鉢のサイズと段階的な鉢増し
4号ポットから一気に大きな鉢に植えると根の発達によくありません。
まず6〜8号の大きさの鉢へ移し替え、鉢の直径30センチくらいを上限にするとよいでしょう。
「大きな鉢に植えれば早く育つ」と思いがちですが、むしろ根が広がりきれずに余分な水分が停滞し、根腐れの原因になることがあります。段階的に鉢を大きくしていくことが、健全な根の発達につながります。
露地植えへの移行は秋以降
春に購入した新苗をいきなり露地植えにするのは危険です。
ある程度鉢で育てて根が充実してから、秋以降に露地に下ろすようにしましょう。
庭に地植えしたい気持ちはよくわかりますが、まだ根の張りが十分ではない新苗を春の段階で直接地面に植えると夏の高温や乾燥、急な大雨などのストレスに耐えきれないことがあります。
一シーズン鉢で株を充実させてから移植するほうが、長い目で見て失敗が少ないです。
植え替え時の注意点
バラの新苗は接ぎ木の主幹や枝もまだ細くてデリケートなので、接ぎテープははずさずに植えつけましょう。
また、枝が細く折れやすいので、植えつけ時には支柱で固定してあげると安心です。
接ぎ口の位置にも注意が必要で、接ぎ口部分を土に埋めないようにしておくことが植え替えのポイントです。
接ぎ口が土の中に埋まってしまうと病気の原因になることがあるため、鉢のふちのラインに合わせて高さを調整しながら植え付けましょう。