花も根もボロボロになる?バラの天敵コガネムシから守る方法は?

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花も根もボロボロになる?バラの天敵コガネムシから守る方法は?

バラを育てているとある日突然、丹精込めて咲かせた花がボロボロに食い散らかされていたり、水をたっぷりやっているのになぜか葉がしなびてくるという経験をされた方は少なくないと思います。

その犯人として真っ先に疑うべきなのがコガネムシです。

見た目はつやつやと光を放つ小さな甲虫ですが、成虫はようやく咲いたバラの花を食い散らして私たちを落胆させる一方で、幼虫は地に潜んでバラの根をかじって株を弱らせ、深刻な場合にはバラを枯死にまで追い詰めます。

バラ愛好家の間で「天敵」と呼ばれるゆえんです。

バラを狙うコガネムシの種類

ひとくちにコガネムシといってもバラに被害をもたらす種類は一つではありません。

園芸害虫として発生しやすい種類は、アオドウガネ、ドウガネブイブイ、マメコガネ、ヒメコガネなどです。

マメコガネの成虫の体長は10mm程度で、それ以外のコガネムシは体長20〜25mmの種類が多いです。

関東以南の多くの人にとって最も目にする機会が多いのがアオドウガネで、「コガネムシ」と呼ばれているもののほとんどがこのアオドウガネである可能性が高いです。

成虫は横から見ると鮮やかな緑色、上から見ると渋い緑色で角度によって色が変わり、形は丸っこく、おしりや体に毛が生えてふさふさしています。夜行性で街灯などの灯りによく集まります。

ナガチャコガネは薄皮のついたピーナッツのような色・形・大きさのコガネムシで、幼虫による根の食害がとても多い一方、成虫はあまり問題になりません。

しかし幼虫は小さく数が多いため、アオドウガネに次いで厄介な害虫といえます。

コガネムシがバラを好む理由の一つとして、バラが園芸植物であることも関係しています。

品種改良を繰り返した植物は植物本来の自衛能力が弱まってしまうことがあり、それによって野生の植物よりも虫にとって食べやすくなってしまいます。

また、庭という人工的な空間では害虫の天敵が少なく、害が出やすいという側面もあります。

成虫から幼虫へ一年を通じた被害サイクル

コガネムシの怖さは、成虫と幼虫の両方が、それぞれ異なる形でバラにダメージを与える点にあります。

コガネムシは年1回発生しますが、種類ごとに発生する時期や期間が異なります。

越冬した幼虫は4〜7月ごろにサナギとなり、羽化して成虫になります。

成虫になった後は6月から9月にかけて精力的に活動するのが基本です。

産卵期は7〜9月ごろで、卵は1週間程度でふ化します。

コガネムシは春から夏にかけてバラの花に吸い寄せられ、花や葉を食い散らかしたあと、そのまま鉢土に産卵します。

生まれてきた幼虫はバラの根を食い荒らし、冬まで気がつかないとかなりの確率で枯れてしまいます。

この時期に孵化した幼虫は気温が低くなる10〜11月ごろまで植物の根を食害し、以降は地中深くに潜って越冬します。

なお、コガネムシの中でもマメコガネの活動期間は5〜10月と他の種に比べて長いので注意が必要です。

成虫による被害:花びらが食い散らかされる

成虫がバラに与えるダメージは、目に見えてわかりやすいのが特徴です。

成虫が狙ってくる中心ターゲットは開花中の花で、直接的に花びらを食い荒らすので見た目にも明らかです。

また、コガネムシが葉を食害した場合の特徴は葉にポツポツと穴があくことです。

花弁は食害されると食害箇所が茶色くなったり、食い散らかしてボロボロになったりするので観賞価値が大きく低下してしまいます。

コガネムシ類の成虫は食欲旺盛で、ターゲットになる植物の葉は葉脈以外食べ尽くされてしまうことも珍しくありません。

光合成できなくなった植物は枯れるのを待つだけになってしまいます。

成虫はよく飛ぶため、庭にいる個体を駆除しても翌日にはまた別の個体が飛来してくることがあります。

夜、コガネムシの成虫がやってきやすい光がある場所や近くに山林がある場所は被害に遭いやすい傾向があります。

幼虫による被害:静かに根を蝕む

成虫による被害も困りますが、バラにとってより深刻なのは土の中に潜む幼虫による根の食害です。

コガネムシによる被害の本質は幼虫による地中の根の食害によってもたらされる株そのものへの甚大なダメージにあります。

コガネムシの幼虫は土の中にいて見えにくいために被害に気づくのが遅くなりがちです。

原因がわかった時には相当被害が進んでいたというケースが多いです。

コガネムシ類の幼虫は地中で植物の細い根を狙って食べるため、被害に遭った植物は十分な水分と養分を吸い上げることができなくなり栄養不足に陥ります。

この「水切れ」と呼ばれる状態では、植物の葉がしおれたり変色したりといった症状が出ます。

栄養を補うために肥料を足しても、根が養分を吸い上げてくれないため効果が期待できないどころか、逆に根腐れの原因となるので要注意です。

また、良質の有機質が入っている良い土ほどコガネムシがやってくる傾向が強く、なおさら悩みの種になります。

丹念に土づくりをしたバラほど被害に遭いやすいとは、なんとも皮肉な話です。

幼虫が潜んでいるサインを見逃さない

土の中の幼虫は目で直接確認することができないため、地上部の変化でその存在を察知する必要があります。

葉に艶がなくなり全体的にボロボロと落葉する、鉢土の乾きが悪い、鉢表面の土がスカスカしている、株の地際を持つとグラグラするといった症状が現れた場合は幼虫による根の食害が疑われます。

水枯れのときは株の下葉から一気に黄変して落葉しますが、コガネ幼虫被害のときは弱々しく全体的にボロボロと落葉することが多いです。

特に鉢植えのバラは症状が出やすく、株が弱ってきて土を掘り返して確認すると数匹〜30匹くらい見つかることがあります。

一つの鉢にこれほどの数が潜んでいるとなれば、バラがダメージを受けるのも当然といえます。

コガネムシの幼虫によく似た虫として、ハナムグリの幼虫があります。

ハナムグリの幼虫は姿はコガネムシの幼虫にそっくりですが、生きたバラの根は食べないので駆除する必要はありません。

見分け方は背面歩行で、ハナムグリの幼虫は足で歩かずに手足を上にあげて背中で移動します。

コガネムシの幼虫は足で移動します。

成虫への対処法

成虫は飛んで移動してくるため、完全に防ぐのは難しいのが現実です。

成虫は遠くから飛んできて葉を食べるため、予防するのはとても難しく、予防できないと考えた方が良いでしょう。

ずっと居着いて葉を食べ尽くしてしまいそうでしたら、取り除いて遠くに放すか、一般的な殺虫剤を使用します。

成幼虫とも見つけたら取り除きます。

庭木などに寄生している成虫は木を揺すると垂直に落下して死んだふりをするので、網などで素早く捕まえます。

しばらくすると飛んで逃げてしまうので注意が必要です。

夜間の誘殺という方法も効果的です。

ブラックライトと中性洗剤を入れた水を用意し、夕方7時から翌朝7時の12時間稼働させると大量に捕殺できます。

薄紫色の光に誘われたコガネムシが飛び込んでくる仕組みで、ある程度飛んでくる範囲が限られているため、3年間継続することで数を大幅に減らすことができます。

幼虫への対処法

幼虫が土の中にいることが確認できた場合、まずは物理的な除去から始めます。

鉢植えのバラで根が食害されている疑いがある場合、苗を鉢から抜き取り、幼虫がいないか観察してみましょう。

この時、根を傷つけないよう土を崩さないように気をつけます。

幼虫は鉢の下のほうにいることが多いです。

食害に遭った場合、一回り小さな鉢に植え替えます。

その時、古い土は全て落として新しい鉢に幼虫を連れて行かないように気を付けましょう。

薬剤を使う場合は、ダイアジノン粒剤やオルトラン粒剤といったコガネムシ類幼虫に効く薬を土に散布します。

土の中にコガネムシ類の卵があっても、薬剤を撒いておくことで孵化した途端に薬が効きます。

なお、コガネムシ類の幼虫は11月以降から地中深くで過ごし活動が鈍くなります。

このシーズンに入ると殺虫剤も効きにくくなるため、卵から孵化する時期などなるべく早い段階での対処が重要です。

産卵を防ぐ予防策

そもそも卵を産ませないための予防は、長期的な被害を抑える上でとても重要です。

鉢植えの場合は、株元を市販の被覆材(不織布や網戸のネット)で覆う方法が効果的です。

ただし、土の様子が見えなくなるので、初心者にとっては土の乾き具合が分かりづらくなるデメリットもあります。

鉢を土の上に置いている場合、コガネムシ類の幼虫は鉢の下から侵入してきます。

これを防ぐために、あらかじめ鉢底ネットを使用し下から来る幼虫を通さないことが予防として有効です。

また、柔らかくて有機質たっぷりの土ではなく、硬くてザラザラした土には産卵しにくい傾向があるため、土の上部にそういった硬めの用土を用いることも有効です。

大切なバラを守るためには、成虫が飛来する初夏からこまめに株の様子を観察し、異変を感じたら早めに手を打つことが何より大切です。

被害が地上部に現れた時点ではすでに根のダメージが相当進んでいることも多いため、日々の観察こそが最大の防衛策といえます。

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