
バラ好きの方なら誰でも、咲き終わった花をできるだけ早く次の開花に繋げたいと思うものです。
花がら摘みはそのための重要な作業ですが、「どこで切ればいいのか」という疑問を持つ方はとても多いです。
実はこの切る位置によって、次の花が咲くまでのスピードや株の健康状態が大きく変わってきます。
花がら摘みの目的をまず理解する
バラは花が咲き終わってそのまま放置しておくと種をつくるためにエネルギーを消費し始めます。
これを「結実」といいますが、この働きが始まると株は種の成熟を優先させるため、次の花芽を出す力が弱まってしまいます。
花がら摘みによってこの結実を防ぐことで、株のエネルギーが新しいシュートや花芽の形成に向かうようになります。
四季咲き性のバラであれば、花がら摘みを丁寧に繰り返すことで年に何度も開花を楽しむことができます。
切る位置の基本的な考え方
花がら摘みで最も悩むのが「どの葉のついた位置で切るか」という点です。
基本として知っておきたいのは、小葉の枚数です。
バラの葉は通常、小葉が3枚ついているものと5枚ついているものがあります。
切る際には、5枚小葉のついた葉の上で切るのが一般的な正解とされています。
5枚小葉の位置を目安にする理由は、その葉腋に芽が出やすい充実した枝があることが多いからです。
3枚小葉の部分は枝が細く弱いことが多く、そこから伸びた芽は花をつけにくかったり、花が小さくなったりすることがあります。
切り位置を5枚小葉の上にすることで、次に伸びてくるシュートがしっかりとした枝になりやすく、充実した花を咲かせてくれる可能性が高まります。
外芽を意識した切り方
切る位置を決めたら、次に意識したいのが「外芽の上で切る」ということです。
外芽とは株の外側に向かって出ている芽のことで、ここで切ることで新しい枝が株の外側に向かって伸び、株全体の風通しや樹形が整います。
内側に向かう芽の上で切ってしまうと枝が込み合い、病気が発生しやすくなったり、光が当たりにくくなったりします。
切り口の角度にもひと工夫
切る際には、芽の上約5〜7mm程度のところで、芽の方向に合わせて斜めに切るのが適切です。
水平に切ってしまうと切り口に水がたまりやすくなり、病原菌が入り込む原因になることがあります。
斜めにすることで水が流れ落ちやすくなり、切り口の乾燥が早まります。
また切り口は清潔なハサミで一度でスパッと切ることが大切で、断面がつぶれてしまうと傷みが広がりやすくなります。
品種の特性によって切る深さを変える
バラの品種によって、花がら摘みの深さを変えることも重要です。
木立性のハイブリッドティーやフロリバンダなどの四季咲き品種では、しっかりと充実した位置まで切り戻すことで次の花までの時間が短縮されます。
一方で、シュラブローズやイングリッシュローズなど枝が柔らかく自然樹形を楽しむタイプでは、あまり深く切りすぎると樹形が乱れることがあるため、花首のすぐ下で軽く摘む程度に留めることもあります。
株が弱っているときや春の一番花後など、株に負担をかけたくない時期には、深く切り戻しをせず、花首だけを軽く取り除く「浅い花がら摘み」にとどめておくことも賢明です。
こうした状況の判断は、葉の色つやや枝の勢いを日頃から観察しておくことで自然と身についてきます。
切った後のケアも忘れずに
花がら摘みをした後は、切り口から病原菌が入らないように癒合剤を薄く塗っておくと安心です。
特に太めの枝を切った場合や雨が多い季節には有効です。
また、花がら摘みのタイミングで株全体の状態を確認し、枯れ枝や病気の葉を合わせて取り除いておくとその後の管理がぐっと楽になります。