
胡蝶蘭の植え替えで水苔を使うメリットは?
バークチップから水苔に植え替えても大丈夫?
胡蝶蘭の植え替えに使う水苔の量はどのくらいがいい?
胡蝶蘭の植え替えに使う水苔の戻し方は?
こんな胡蝶蘭の水苔植え替えに関する疑問についてご紹介いたします。
目次
胡蝶蘭の植え替えで水苔を使うメリット
水苔は着生植物の胡蝶蘭と非常に相性が良いと言っても過言ではありません。
園芸用の水苔は保水性が高く、繊維状であるため、根全体に水分と栄養が行き渡る優れた植え込み材です。
そのような特徴から鉢植えだけでなく、胡蝶蘭を流木に活着させて育てるための材料としても利用できます。
水苔には乾燥水苔と生水苔がありますが、みなさんがよく目にするのは乾燥水苔でしょう。
あまり目にしない生水苔は、乾燥水苔よりも痛みにくいという特徴があるのですが、売られている場所は限られ、高価なため、乾燥水苔が胡蝶蘭に使われることがほとんどです。
水苔は抗菌作用もあり、胡蝶蘭の根を様々な菌から守ってくれる優れものでもあります。
また、水苔は植え込む固さによって排水性や保水性を変えることができます。
固く植え込むと排水性がよくなり、柔らかく植え込むと保水性が高まります。
胡蝶蘭の状態に合わせて植え込みの固さを調節してみてください。
また、水苔にはわずかな栄養も含まれています。
多くの栄養を必要としない胡蝶蘭にとって水苔に含まれるわずかな栄養が適しており、胡蝶蘭の成長に良い影響を与えるのです。
バークチップから水苔に植え替えても大丈夫?
バークチップは排水性が高く通気性が良い特徴があります。
水のやりすぎに注意が必要な点は水苔と同じなのですが、水苔に比べて乾燥具合いを確認しづらいのが難点です。
また、バークチップは木の皮でできているためナメクジなど害虫が発生することもあり、屋外では育てにくい特徴を持っています。
そんなバークチップの扱いづらさから水苔に植え替えを検討する人も少なくありません。
バークチップから水苔への植え替えは簡単にできますが、ひとつひとつの作業は丁寧に行いましょう。
バークチップは根に絡まらないので植え替え時の処理に手間はかかりません。
まず、健康な根を傷つけないよう丁寧に鉢から胡蝶蘭を出します。
根の状態を一本一本確認していき、健康な根だけを残したら水に戻しておいた水苔を根に絡ませていきましょう。
このとき、根を水苔で覆うようにするのがうまく植え替えるポイントです。
根にたっぷり水苔がついたら鉢に押し込むようにして入れていきましょう。
植え替え後は、鉢の中の乾燥状態をこまめにチェックすることで、根腐れを防ぎ、胡蝶蘭が植え替えによるストレスで枯れてしまうリスクも減らせます。
バークチップから水苔への植え替えでは鉢も替えましょう。
バークチップは排水性が非常に良いので、プラスチック鉢で大丈夫ですが、水苔をプラスチック鉢に植えてしまうと根腐れを起こしかねません。
水苔の場合は水苔の保水性が高いため、根腐れを防ぐために通気性の良い素焼きの鉢を使います。
水苔に植えた胡蝶蘭の根の乾燥具合は割り箸を刺して確認することが可能です。
刺した割り箸が、乾いていれば水やりのタイミングです。
胡蝶蘭の根は非常にデリケートです。
植え替えをするだけでも根にとってはストレスになります。
胡蝶蘭にとって植え替えに加え、植え込み材が変わるのは大きな変化です。
発育環境の変化が原因で枯れてしまうこともあるのでリスクも考えながら植え替えを行ってください。
胡蝶蘭の植え替えに使う水苔の量はどのくらいがいい?
水苔は、乾燥している状態で売られているので水を含んだらどのくらいになるのかわかりづらいですよね。
乾燥水苔は水に戻すと約3倍の体積になるといわれています。
鉢の中全部を水苔にする場合、
- 3号の素焼き鉢の場合、乾燥状態で約30g
- 3.5号の素焼き鉢の場合、乾燥状態で約50g
が必要になります。
あくまでも目安なので、植え替えの際に足りないとこがないよう多めに乾燥水苔を用意しておきましょう。
水に戻した乾燥水苔は、再び乾燥させることで保管できます。
次の植え替え時に使用できるので無駄になりません。
植え込みの固さ具合にも気をつけましょう。
上記でも少し触れましたが、ゆるゆるの植え込みでは胡蝶蘭が、
- 根腐れを起こしやすい
- 乾燥に時間がかかる
という難点があります。
植え込みを固くしっかりとすることで、
- 株が安定する
- 根が乾燥しやすい
- 根腐れが起こりづらい
ので胡蝶蘭は健康的に育つことができます。
鉢の中をすべて水苔で埋めることも可能ですが、鉢底に発泡スチロールを敷くと植え込み材に合わせて排水を調節してくれるので非常に管理しやすくなります。
発泡スチロールの敷き方は、
水苔を入れる前に鉢底に敷く
鉢の⅓程度
鉢の残り⅔は水で戻した水苔で埋めて完成です。
バークチップのように排水性が高い植え込み材のときには、発泡スチロールは保水効果を高めてくれます。
水の調整が難しいなと感じたときには、次の植え替えの際に発泡スチロールを検討してみてください。
乾燥水苔ですが、ニュージーランド産の水苔が良いといわれています。
他輸入品の水苔は、細い、短い、モール状、など扱いにくいものが多く、胡蝶蘭の根を傷めてしまう恐れがあります。
扱いにくい水苔は湿り具合も悪いうえに、一度水分を吸ってしまうとなかなか乾かない弱点もありますので注意しましょう。
ニュージーランド産水苔
胡蝶蘭の植え替えに使う水苔の戻し方
乾燥水苔を植え替えに使用するには一度水に戻す必要があります。
水苔の戻し方はとても簡単です。
用意するものは、バットやタッパーなどの浅い容器を用意しましょう。
戻す手順は、容器に水苔を入れ、ぬるま湯を入れてしばらく放置する。
これだけです。
水苔をぬるま湯で戻している際は、ゴミや虫が入り込まないようにラップやネットをしておくときれいな水苔を使用できます。
放置時間はだいたい半日ほどで十分です。
水苔の質にもよりますので時々触って確かめてみてください。
水に戻した水苔を根につける際、水苔は強く絞らないようにしましょう。
水苔に栄養がついているので、強く絞ってしまうと栄養が流れ出てしまいます。
胡蝶蘭の植え替えまとめ
- 胡蝶蘭と水苔の相性は抜群。水苔は保水性が高く、抗菌作用や栄養を含んでいるため胡蝶蘭の成長を促す。
- バークチップから水苔へ植え替えは可能だが、できるだけ同じ植え込み材を使用することで胡蝶蘭の根にかかるストレスを軽減できる。
- 乾燥水苔は水に戻ると約3倍の体積になる。例えば、3号素焼き鉢には乾燥水苔約30gが必要。
- 水苔の戻し方は、バットやタッパーなど底の浅い容器に入れ、ぬるま湯に約半日浸して完成。
今回は水苔を使った胡蝶蘭の植え替えに関する疑問についてご紹介しました。皆様の胡蝶蘭植え替えの参考にしていただけると幸いです。