シクラメンの葉っぱに白い粉?カビ?
シクラメンのうどんこ病とは?
シクラメンのうどん粉病の対処法は?治る?
シクラメンのうどん粉病にオルトランは効く?
こんなシクラメンの病気に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
シクラメンの葉っぱに白い粉?カビ?
シクラメンを育てていると葉っぱに白い粉のようなものが付いてしまう事があります。
もしくは白いカビのように見える事も。
そんなシクラメンの葉っぱに付着する白い斑点のようなものの正体は、うどん粉病と呼ばれるシクラメンの病気の一つです。
うどんこ病は、植物に付着するカビの一種で菌によって引き起こされる植物病害です。
うどんこ病のカビ菌はそれほど強くないため、細菌類やウィルスに比べるとすぐに枯れてしまうようなことは少なく、ある程度耐えることができます。
しかし、一度発生すると大量に発生しやすいといった特徴があるため早急な対応が求められます。
シクラメンのうどんこ病とは?
シクラメンのうどんこ病とは、シクラメンの葉や茎に白い粉状の斑点が現れる植物の病気です。
うどん粉病の原因となる菌は全世界で900種類以上あるとも言われており、植物の種類によって付着するうどん粉病の菌も変わってきます。
それでも菌の繁殖方法や増殖方法には、似たような特徴がありますので、うどん粉病にかかってしまう原因やうどん粉病が増えやすい環境などを理解しておくことは大切です。
うどん粉病の症状
シクラメンのうどん粉病の症状としては、葉の表面に白い粉状の斑点が現れ、時間が経つにつれて葉全体が白く覆われることがあります。
菌の付着が少ない初めの頃は、薄いシミ程度にしか見えないため、病気と気づかずに放置してしまうことも多いものです。
しかし、環境が整ってしまうと一気に被害が広まってしまうのが、うどん粉病の怖いところでもあります。
うどん粉病の症状が悪化するに連れて葉全体に広がり、白さが濃くなってしまうため、シクラメンの葉は光を阻害されてしまいます。
そうなるとシクラメンが光合成をできなくなり徐々に弱ってしまいます。
さらに症状が進行すると、葉や茎が黄色くなり、最終的には枯れてしまいます。
うどん粉病にかかってしまう原因と増えやすい環境
うどん粉病にかかってしまう原因は、うどん粉病の菌の胞子の付着から始まります。
その後、条件が整うと一気に増えてしまいます。
この胞子の付着しやすい環境と一気に増えてしまう環境には若干の違いがあります。
そのような理由からうどん粉病は
- 高温多湿で風通しの悪い場所で発生しやすい。
- 25℃くらいの乾燥した環境で増えやすい。
など環境に矛盾を感じる情報を見かけることが多くあります。
そうなると、うどん粉病が発生してしまったらどのような環境を維持すればよいのか迷ってしまう人もいるかもしれません。
乾燥させた環境が良いのか?多湿気味にした方が良いのか?
その答えを知るためには、うどん粉病の繁殖サイクルを理解することが大切です。
まず、うどん粉病の菌は風に乗って他の植物に感染します。
この時期のうどん粉病は胞子と呼ばれる状態で、20℃くらいの多湿な環境を好みます。
特に葉が密集して風通しが悪い環境などでは、葉から葉へとどんどん移動してしまいます。
その後、気温が上がり25℃くらいの乾燥した環境になると一気に増殖を始めます。
屋外で考えると春先や梅雨時期に胞子を拡散させ、夏を迎える頃の暖かい晴れた日に増殖するイメージです。
よって一度増え始めてしまったら、高温で乾燥した環境の方が蔓延しやすいと言えます。
また、土の上に花がらや枯れた葉を残しておくと胞子がそこに残ってしまいますので、土の表面は常に綺麗にしておくことも大切です。
シクラメンのうどん粉病の対処法は?治る?
シクラメンのうどん粉病は治るのか?
この疑問に対しては、初期段階に正しい対処をすれば、ほぼ治ると言えます。
その理由として先にもご紹介しましたように、うどん粉病の原因となるカビ菌はウィルスや細菌類に比べて植物を枯らす力は弱いからです。
しかしうどん粉病を放置してしまうとどんどん増殖して、最終的にはシクラメンが枯れてしまうこともあります。
よって正しい対処が必要となってきます。
うどん粉病の対処法には
- うどん粉病の発生原因を断つ。
- シクラメン自体を病気に強くする。
- 環境を改善する。
- 農薬を使用する。
などが挙げられます。
この中でうどん粉病の発生原因を断つこととシクラメン自体を病気に強くする方法は、どちらかと言うとうどん粉病の予防策になりますので、ここでは割愛させていただきます。
環境を改善する
うどん粉病は25℃前後の乾燥した環境で増えやすいため、シクラメンを置く環境を見直す事から始めましょう。
まさしく冬の室内は、うどん粉病にとっても好ましい環境となっていることが多いものです。
シクラメンの好む環境はもう少し低い温度帯ですので、低い温度帯で管理することで、シクラメンは元気になり、うどん粉病の菌は増殖しにくくなるというメリットがあります。
菌が増殖してしまった葉を間引くのも効果的です。
少しくらいなら残しておいても大丈夫ですが、葉の表面が真っ白になって弱ってしまっている葉などは間引くようにしましょう。
葉を間引くことで通気性を良くできるうえ、根元が確認しやすくなり、土の上も常に綺麗に保つことができます。
農薬を使用する
環境の見直しができたら、次は農薬の使用です。
うどん粉病対策に使用できる農薬はたくさん販売されていますので、上手に利用する事でうどん粉病対策ができます。
農薬を使用する際の注意点としては
- 予防薬と治療薬があるのでしっかり使い分ける。
- 濃度は表記された濃度を守り、濃くし過ぎない。
- うどん粉病に特化したものを選ぶ。
などが挙げられます。
農薬には予防剤と治療剤があるので、発生してしまったら治療剤を使うことが大切です。
例を挙げますと
- ダコニールは予防剤。
- サプロールは治療効果がある。
- ベンレートは予防効果と治療効果がある。
農薬は濃くすれば治りやすいわけではなく、薬害を受けてしまう可能性もあるので注意が必要です。
初めのうちは少し薄いくらいから使用してみて、改善が見られなかったら少しずつ濃度を上げていくような方法も良いでしょう。
さらに病気=農薬ならなんでも良いと言うわけではありません。
うどん粉病対策には、うどん粉病に特化したものを選ぶようにしましょう。
農薬を使用する際にはメガネなどを着用する事も忘れないようにしましょう。
特に風の強い日などに屋外で使用すると想像以上に広がってしまうこともあります。
シクラメンのうどん粉病にオルトランは効く?
園芸を趣味としている人にはよく知られているオルトランですが、「うどん粉病対策といえばオルトラン」とは言いにくい面があります。
オルトランにもいくつかの種類があり、その中でも殺虫殺菌剤のGFオルトランCは広範囲の害虫と病気に効果があり、うどん粉病や黒星病にも効果があると表記されています。
しかし、GFオルトランCは浸透移行性タイプの農薬である為、植物を強くして病気の予防をするタイプで、どちらかといえばうどん粉病の発生を抑えるタイプの予防薬と言えます。
よって大量に発生してしまったうどん粉病にはあまり効果が期待できません。
GFオルトランCの裏面には、「特に害虫には、速効性と持続性を兼ねそろえた手軽な病害虫防除剤です。」と表記されています。
そのような表記からもわかるように、どちらかといえば害虫対策メインの農薬と言えます。
さらに他の種類のGFオルトラン粒剤やオルトランDX粒剤は害虫対策をメインとしており、うどん粉病などには対応していません。
よって大量発生してしまったシクラメンのうどん粉病対策にはオルトランはあまりおすすめできません。
そのような場合には、サプロールやベンレートなどのうどん粉病に特化した殺菌剤がおすすめです。
サプロールやベンレートは殺菌剤と表記されており、発生してしまったうどん粉病にも効果が期待できます。
シクラメンのうどん粉病まとめ
- シクラメンの葉っぱに付着する白い斑点のようなものの正体は、うどん粉病と呼ばれるシクラメンの病気の一つ。
- うどん粉病の胞子は20℃くらいの多湿を好み、その後25℃くらいの乾燥した環境で一気に増えることが多い。
- 低い温度帯で管理することで、シクラメンは元気になり、うどん粉病の菌は増殖しにくくなるというメリットがある。
- シクラメンのうどん粉病にはオルトランよりもサプロールやベンレートなどのうどん粉病に特化した殺菌剤がおすすめ。
今回はシクラメンの病気に関する疑問についてご紹介しました。皆様のシクラメン育成の参考にしていただけると幸いです。