
育てているあじさいの花の色を好みのピンク色にする事は出来るのか?そんなあじさいの花の色を決める要素でもあるあじさいの花色とアルカリ土壌の仕組みについてご紹介いたします。
花色を決めるのはアントシアニンとアルミニウムの関係
あじさいの花に含まれているアントシアニンという色素はもともと赤色です。
ここに土壌のアルミニウムが溶けて結合することで花色が青くなります。
酸性の土壌ではアルミニウムが水に溶けだしやすく、アルカリ性の土壌では溶けにくいため、赤色になります。
つまり、きれいなピンクや赤を咲かせるにはアルミニウムをあじさいに吸わせないことが、最大のポイントになります。
一般的にあじさいの花色は、酸性土壌で青色に変わり、アルカリ性土壌でピンク色に変わると言われています。
しかし実際にはもっとたくさんの要素によって、花色が青色に傾くかピンク色に傾くかが決まっています。
ですから、pHだけに注目するのではなく、土の成分全体を見直すことが必要です。
品種選びがすべての出発点
土壌を調整する前にまず育てたいあじさいの品種が花色を変えられるものかどうかを確認しておく必要があります。
アジサイの中には、赤や青、白など、色が固定されている品種もあり、そのような品種の場合は土の酸性度を変えたとしても色は変わりません。
自然な状態できれいな青花品種はアルカリ土壌にすると色が汚くなり、同様に赤色品種は酸性土壌にすると色が汚くなる場合があります。
もともと赤系の品種をアルカリ土壌で育てることではじめて、鮮やかな発色が期待できます。
レッドビューティー・ホットレッド・ピンクアナベルなどは人気があります。
目標とするpH値
土壌酸度はpH 6.0〜6.5を目安にしましょう。
土壌酸度計や土壌酸度測定液などを使うと土の酸度が簡単に測ることができます。
定期的に検査することで、土壌の状態を知ることができます。
強アルカリに傾けすぎると植物が弱ってしまうため、様子を見ながらpH調整をしましょう。
鉢植えの土の作り方
鉢植えはピンク・赤系を咲かせるうえで最も管理しやすい方法です。
鉢植えの場合は、市販の赤いアジサイ用の培養土を使うか、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1に苦土石灰を土1kgにつき5g加え、赤いアジサイ用肥料を混ぜる配合がおすすめです。
アルカリ性の土を作る場合は、鹿沼土やピートモスのような酸性の素材を使わないようにします。赤玉土や腐葉土を混ぜて土を作り、そこに苦土石灰を混ぜることでアルカリに傾けることができます。
地植えの場合の土壌改良
地植えで赤系を咲かせるのは、鉢植えに比べると少し手間がかかります。
地植えの場合は、植える2週間前に庭土1㎡(深さ30cm)あたり苦土石灰を300gをよく混ぜ、その1週間後に堆肥2kgと赤いアジサイ用肥料を混ぜて、さらに1週間おいてから使います。
ブロック塀やコンクリートの近くに植えるのもおすすめです。
雨でコンクリートから石灰分が流れ出るので、土壌のアルカリ性を保つことができ、ピンク色の花が咲きやすくなります。
苦土石灰以外のアルカリ化の方法
特別な資材がなくても身近なもので土をアルカリ性に傾ける方法があります。
卵の殻をパウダー状になるまで砕き、それをあじさいに撒くだけで、卵の殻に含まれる炭酸カルシウムの弱アルカリ性の成分によって、あじさいの色をピンク〜赤い色に変えることができます。
また、卵の殻は植物を育てる際に土に混ぜることで肥料の役割も果たしますので、手軽に試せる方法として覚えておくと便利です。
肥料選びも花色に影響する
赤色系のあじさいの場合、用土を酸性に傾けすぎず、アルカリ性に保てる肥料がおすすめです。
また、リン酸が多いと青色が出にくくなるので、リン酸を多く含む「ハイポネックス原液」を施肥するとよいでしょう。
リン酸が多い土はリン酸がアルミニウムを吸着し不溶性にしてしまうため、あじさいの根がアルミニウムを吸えなくなります。
結果としてアントシアニンが青色に変化しにくくなるため、赤系を咲かせたいときにはリン酸を意識的に活用することが有効です。
調整のタイミングと効果が出るまでの期間
土の酸性度を調整するのは、だいたい4月〜5月です。
この頃は花芽が上がる直前くらいなので、ちょうど良い時期です。
この時期を過ぎるとアルミニウムの吸収が遅れるため、思った色が出にくくなります。
あじさいは、すぐに青くなったりピンク色になるわけではありません。
土壌pHやアルミニウム含有量を調整したことによる化学変化は、すでに咲いている花ではなく、成長中の蕾に影響を与えると言われています。
変化は時間をかけて徐々に起こるので、気長に待つようにしましょう。
また、石灰を混ぜてから安定するには数か月かかりますので事前準備が必要になります。
色の変化を翌シーズンに期待するなら、秋のうちから土壌改良をスタートさせておくのが理想的です。
色が戻ってしまったときの対処法
せっかくアルカリ土壌に整えても雨の多い日本では徐々に酸性に引き戻されてしまうことがあります。
翌年に花芽が出始めた頃に消石灰を水に溶き、土に灌注します。
その後は一週間おきくらいに2度ほど行えば十分です。
毎年この作業を繰り返すことで、鮮やかなピンクや赤を安定して咲かせ続けることができます。